Students2011

 

   2011年度・TRパターンミラノ研修生紹介

  

    

 

  

    

 

課題作品・コート製作
オリジナルコート製作課題として、イタリア・ビエラ産の高級生地を使ってクチュール縫製を学びます。この作品製作は二人一組・デザイナー&モデリストの立場を相互に体験し、デザイン画を基にドローイング線を人体上で構成し、相互の補正、パターンメイクを完了し、最終的に完成パターンを交換し、各自これを基に裁断、縫製工程に入ります。本裁断の前に一度トワルを組み補正し、最終チェック終了後、グループにて裁断を行います。裏地付けはクチュール縫製の全手まつり作業です。普段味わえない高級感覚の素材は緊張感も高めモチベーションもアップです、完成度の高い素晴らしい作品が出来上がりました。製作時間70時間

   

   

   

 

  

 

  

   

  

   

課題作品2・リバーシブル縫製によるジャケット製作
ここではイタリアの伝統的な職人技術、リバーシブル縫製を学びます。
TRコンセプトを応用したデザイン構成にてジャケットを製作します。リバーシブル生地はイタリア有名社アニオナ、ローロピアナ、コロンボ、エトロ社等のカシミア、アンゴラ素材を中心に市場では手に入らない高級生地に挑戦しました。リバーシブル縫製は70%以上が手まつり作業のため、一貫的な集中力と手工技術が不可欠です。日本のアパレル市場では簡単に見つけることの出来ない、リバーシブル縫製による、オリジナルTRデザインジャケットの完成です。
製作時間・60時間

  

  

  

  

ミラノプレタポルテ・国際見本市&ファッションショー見学
ミラノ研修では、イタリアファッション業界の根底を体験します。NYコレクション、ロンドンコレクションに続いて、3番目に紹介させれる、ミラノコレクションは世界的に最も注目を浴びるイベントです。
プレゼンテーションされるコレクションは500以上、約200コレクションがファッションショー等で世界から訪れる3000人以上のジャーナリスト、バイヤー達を魅了します。
国際見本市プレタ展では多くの、新人デザイナー、新ブランドも展示会形式で紹介されます。今回バイヤーとして入場し見学した展示会は、フィレンツェプレコレクション、メンズホワイト展、ミラノネオゾーン&タッチ展、ホワイト展等です。一年先のファッショントレンドを認識しイタリアのアパレル界のシステムを学び、プロの立場から見た、貴重な体験をしました。

  

 

 

国際見本市・生地付属、皮革素材展示会見学
国際見本市・ミラノウニカ生地付属展はパリプルミエールビジョン展に並ぶ世界で最も重要視されるトレンド生地展です。世界から集まる約1500社が最新テクノロジー&ファンタジーを競う舞台です。イタリアと言えば皮製品、ここでは皮革レザーを専門に扱う,アンテプリマ展を訪問しました。
会場全体が皮革質の臭いが漂い、世界一の皮革展に圧倒させられました。
この展示会では、研修生はプロデザイナーとして入場し、お気に入りのブースを訪問し、生地サンプルオーダーにもチャレンジしてみました。

    

 

 

ミラノ量産縫製工場&老舗テーラー店見学
量産システムOEM生産をミラノ市内で開業したベルガ氏は30年以上前にチェレステクチュールという名のブランドを築き世界に発信しました。その後V2社と改名しヨーロッパの有名ブランドと提携し画期的なOEM生産を開発しました。現在の生産ブランドは、プラダ、ジバンシー、ウンガロ、バランシアガ、アニオナなど高級ブランドを主体にクチュール感覚を踏まえた量産を行っています。

     

この道50年の職人気質、エミリオ カネ氏はミラノ市から2度も金メダルを受賞したテーラーです。
あの若き頃のヴェルサーチの立ち上がりにも携わった経験も彼のテーラー職人としての誇りを物語る源です。彼が話すイタリア語は解らなくても、彼の目から滲み出る服作りへのパッションは確りと伝わりました。毎年研修生達のアイドル的存在感、人間としてこの上ない親しみを感じた、カネ氏との出会いは服作りを学ぶ人間として貴重な思い出になったことでしょう。

Kana Kawamoto
文化女子大学・服装学部
アドバンストテクニックコース

<ミラノ研修レポート>
ミラノ研修に参加し、今までに経験した事のない様々な経験をすることができ、本当に参加してよかったと思っています。毎日が驚きや不安、感動でいっぱいで、とても濃い日々を送ることが出来ましたコート製作では、プラダのコート原型から個人の体型に合わせ補正を行い、他の研修生のパターンを製作します。補正は、一人ひとり体型が異なっていたためそれぞれの補正方法があり、とても勉強になりました。人のためにパターン製作をするのは緊張しましたが、その分丁寧に正確に作業することができたと思い ます。完成後、DUOMOの前で着装写真を撮ったこともとても良い思い出です。リバーシブルジャケットは殆どが手作業で数ミリのずれも気になる作業でしたが、その分うまく縫えた時の喜びは大きくまつり縫いも正確になり早さも増したような気がします。アイロンの大切さも改めて実感しました。ファッションショーや展示会では、会場の雰囲気や演出、モデルさん、デザイン、そこに立つことができている自分など全てにおいて感動でした。また、デザイナーやバイヤーという立場でビジネスの現場に立つことができ、本当に勉強になりました。どのブランドも日本人という顧客に積極的にアプローチをしてき て、日本人の位置づけを垣間見ることができました。
生活面では、みんなで食事の手伝いをしたり、夜中まで話したり、朝ごはんを作ったり、ふざけあったり、服をシェアしたりと、全員仲が良く、笑顔の絶えない毎日でした。学生生活の最後に掛け替えのない仲間と出会うことができ、とても嬉しく思っています。先生の色々な話も聞くことができ、時に感動し、笑い 、本当に楽しかったです。
イタリアで生活し、様々な経験をして、イタリアの感性やファッション、建築物、日本との文化の違いを肌で感じ、刺激を受けることができたことが、この研修での最も大きな収穫です。外国や外国人に対する抵抗感もなくなり、人生のビジョンが大きく広がった気がします。自分の中にある常識も大きく変わり、生 き方を高める方法を改めて見つめ直すキッカケになりました。
あっという間の一か月でしたが、本当に充実した有意義な日々を過ごすことができました。ご指導くださった佐藤先生、共に励んだ仲間に心から感謝しています。
Kana(2月5日~3月7日)

Tsutomu Endo
北海道文化服装専門学校
ファッション研究科

<ミラノ研修レポート>
まず初めはコート作りから始まりました。コート作りはパターンナーとしての立場で、友達のものをデザイン画を見て実物パターン作成までを行うので、普段メンズばかり作っている自分にはレディースのパターンの良い勉強になりました。
自分はカッティングラインを活かして皮革と組合せたイタリアっぽいシックでカッコイイデザインにしました。縫製もなかなか大変でしたが良い作品が出来ました。特にポケットのフラップは新しく学んだやり方できれいに仕上がりました。
次はリバーシブルのジャケット作成。自分は初めてこの技術を学んびました。まずリバーシブルというと裏表両方着れる服と思っていましたが、そうではなく生地が二枚合わせになっていて、それを一枚ずつに手ではがしてから縫製します。
自分が選んだ生地はカシミア100%のエトロの生地でとてもデリケートではがしづらい生地でかなり大変でした。このリバーシブル仕立ては、裏の縫い代処理が手作業のまつり縫いなので時間はかかりますが仕上がりも柔らかく、生地の風合いを活かすことができます。職人が作るものは、裏表がわからないほど、美しい仕上がりでした。本当に美しい服とは裏も美しいんだなと思いました。
最後にだまし絵の技術を使ったTRパターンのワンピースを作成しました。パターンがたくさんあって縫うに時間がかかりましたが、うまくだまし絵を利用したTRパターンのワンピースができました。今度はこの技術をメンズのジャケットにも利用してみたいです。この研修の醍醐味はイタリアの街並みや美術館で歴史や伝統を感じ、コレクションや展示会で世界を牽引するファッション界の雰囲気を味わうことができ、そのなかで普段絶対手に入らない生地で一生物の作品を作ることです。それ同時に一生の思い出も作れます。自分は一ヶ月過ごしていろんなものを見て、いろんなな人と出会い、イタリアの魅力だけでなく改めて日本の魅力にも気付くことができました。そして必ずまた訪れたいと思いました。自分はいつかここでコレクションをやることを夢じゃなく目標にして進んで頑張ります。絶対またここに帰って来ます。Arrivederci!
Ricky(1月4日~2月4日)

 

Saori Yamamoto
文化女子大学・服装学部
アドバンストテクニックコース

<ミラノ研修レポート>
ミラノで過ごした1ヶ月はかけがえのない1ヶ月になりました。
作品製作では、コートとリバーシブルジャケットを製作しました。
普段目にできないようなとても高価な布地を使用させて頂いたり、
他の人のパターンを製作したりととても勉強になりました。
先生に教えて頂いた技術はとても興味深く、もっとやってみたいと思ったのと同時に、
当たり前のこともできない自分の技術の無さを痛感し、もっともっと勉強したいと思いました。
ミラノウニカやプレタポルテ展、ミラノコレクションにも連れて行って頂きとても貴重な経験ができ、見たことのない世界がありました。ミラノウニカやプレタポルテ展では規模の大きさや見たことのない素材、新しいものに驚き、そのパワーに圧倒されました。ミラノコレクションでは初めて経験するショーの空気、緊張感に触れ、涙が出るほど感動しました。
小旅行にも何度か連れて行ってもらい、行く先々に素晴らしい文化があり、絵本や映画の中にいるようなところに人々が普通に生活していたり、息を呑むような景色でいっぱいでした。
そしてなにより、毎日の日々がとても刺激的で感動的で1日1日が本当に充実していた1ヶ月でした。
尊敬できる先生にTRの技術を教えて頂けたこと、みんなと共同生活できたこと、先生のお話を聞けたこと、
ミラノの空気、全てが今の私になくてはならないものになりました。
自分自身の直したいところもたくさん見えてきて、自分の小ささがよくわかった1ヶ月でもありましたが、
本当にミラノ研修に参加して良かったです。服に対する気持ち、ものの見方、考え方も変わり、
言葉にできないくらい私の人生に大きな大きな影響を与えてくれました。
先生、1ヶ月毎日一緒に生活した4人にとても感謝しています。
本当に有難うございました。
Azu(2月5日~3月7日)
 

Moeko Hata
文化女子大学・服装学部
アドバンストテクニックコース

<ミラノ研修レポート>
2月4日から3月7日にかけて、2期生としてミラノ研修に参加致しました。
ロングコート製作ではPRADAの原型をもとに、フレアやパフスリーブなどのフェミニンな要素が入ったデザインにしました。補正の段階でたくさんフレアを入れたので、とても面白い形のパターンになったことが印象的です。生地は厚手のウールだったので、フレアの重みで伸びない様に周囲に伸び止めテープを貼るなどして注意しながら縫製しました。裏地をつける段階では寸法を誤って裁断してしまい、裾の部分が5㎝ほど足りないという問題もありましたが、はぎで裏地を縫い足すことでなんとかコートが完成しました。パートナーの子のおかげでとても素敵なシルエットのコートになったので、春用の生地でもつくってみたいと思いました。
リバーシブル素材を用いたジャケット製作ではイラスト的なデザインを取り入れたかったので、前にシャツ・ネクタイ・ポケット、後にスーツの絵のデザイン線を入れました。エトロのリバーシブル生地はとてもはがしやすく、製作作業をスムーズに行えました。このような上質なリバーシブル生地で製作できる機会はなかなか無いので、とても良い経験になりました。
また製作作業以外ではトレンドの発信となるMILANO UNICAやイタリアブランドの展示会に行きました。様々なブースを回って最新の生地や服を見られたことはとても新鮮で、自分が今後服を製作するうえでとても参考になりました。
またこの機会と同様、ミラノ研修ではイタリア語を使う機会が多くありました。ナヴィリオの骨董市では気さくなお店の方にイタリア語で値切り交渉をしたり、スーパーやパン屋などでも値段を聞いたりと、とても楽しくコミュニケーションをとることができました。美しい景色や街並に加え、陽気なイタリア人の人柄を肌で感じることのできた一ヶ月となりました。
今回ミラノ研修を通して、改めて自分は服が好きでこれからも作り続けたいと思いました。
またイタリアで様々な方と知り合いお話を伺うことで、世界は広く、もっと広い視野をもっていかなければいけないなと感じました。
これからも色々なことに興味をもちながら服を製作していきたいと思います。
Moe(2月5日~3月7日)

 

Midori Nitta
北海道文化服装専門学校
ファッション研究科

<ミラノ研修レポート>
高級素材を使用したコート、リバーシブル素材のジャケット、TRパターンの3D技術を取り入れたワンピースドレスを制作しました。普段は使用出来ない高級な生地を使用出来た事や普段学校では行わない仕立てを学べた事は、とても勉強になり、また少し新しい技術が身についたと実感しています。これらの制作した作品は私にとって宝物です。毎日を過ごしたミラノの街並みやフィレンツェやコモでのひと時、全てが美術品
のようで美しく、またベルガモで見た風景は目の奥に焼き付いて離れません。
ミラノメンズコレクションを見た事、様々な展示会を見に行けた事は大変刺激になりました。これらを実際に生で見て感じて、少し自分の視野が広がったように感じます。いつかは見せる側の立場になりたいと思いました。ミラノで過ごしたこの一ヶ月間は、私にとって何にも変える事のできない素晴らしい充実した日々でした。無事にミラノ研修を終える事ができたことに、佐藤先生及び、支えになり背中を押してくれた家族と親族、北海道文化服装専門学校の先生方々、研修で関わった全ての人に心から感謝します。
またいつかミラノに戻って来ることを願って。ArrivederLa!!
Midori(1月4日~2月4日)

 

 

Megumi Nakada
文化女子大学・服装学部
アドバンストテクニックコース

<ミラノ研修レポート>
TRミラノ研修に参加し、ミラノでの仲間たちとの共同生活や様々な経験を通し、物事に対する感じ方や人生のとらえ方、考え方などが一新したような気がしています。イタリアという美しい国に滞在し、TRパターンの縫製を学びながら展示会やミラノコレクションを見に行った日々は私の人生に大きな意味をもたらしたと思います。 ミラノについて初めの作業はプラダのコート原型をそれぞれ担当の子の体型に合わせて補正するというものでした。コート製作ではデザイナー・パタンナーに役割を分け、初めて自分以外の人の体型、デザインを理解して作業しなければいけなかったため、デザイナーの意図を理解してパターン制作することがコート製作一番の難点でした。
 リバーシブルジャケット製作はコートのときよりデザインが自由で、よりTRらしいデザインにできるのでなかなかデザイン決定できませんでした。縫製に入ったら全ての縫い目でまつり縫いを行うため、まつり縫いの精度は研修前よりも格段に上がった自信があります。
 コートもジャケットも、イタリアの最高級の生地を使わせて頂き、いずれもミラノ研修でしか作れない作品が仕上がったと思っています。
 展示会やコレクション見学はどれも世界最先端のもので、そこに自分がいるのが不思議な感覚でした。デザイナーやバイヤーになって行き、本物の商談を目の前で見たり聞いたりしたことはとても刺激になりました。コレクションを見に行ったときはただ感動して何も考えられず、涙が出た程でした。
 先生には今までの学生で一番泣いていた学生だったと言われました。自分でもこんなに泣いた1か月は他になかったと思います。それほど感情が動き、いい意味で心身共に疲れ、充実した日々でした。心から、参加して良かったと思っています。
Meg(2月5日~3月7日)

Karin Hanada
北海道文化服装専門学校
ファッション研究科

<ミラノ研修レポート>
2年生の時に、このミラノ研修があることを聞いて、その時から既に参加したいと思っていました。
一番最初に作ったコートは今までやったことの無い、ボタンホールの開け方やポケット、裏地付けなど、TR技術にプラスして色々な応用した技法を学びました。
リバーシブル生地のジャケットでは、切り替えが多く、生地をはがす時に爪が痛くなったり、まつり縫いの距離が長く、仕上げるのが大変でした。
このコートとジャケットは、テーラー職人のカネさんにチェックして頂けて、しかも好評だったので嬉しかったです。最後には、TR3Dのワンピースドレスを製作しました。
だまし絵のように完璧に作るのはとても難しく、若干くたびれた作品になってしまいましたが、新しい技術を身に付けることができてとても満足でした。
この研修のイメージは工場で朝から晩まで、作業するのかなと思っていたら、案外自由な時間も多く、メリハリのある生活ができました。ミラノの街を観て周ったり、ベルガモやコモ湖、フィレンツェなど、素敵な所にも行きました。
この1ヶ月間私にとって、新しいことの連続で、とても充実したものになりました。服造りにおいては、今までで一番真剣に取り組むことができました。この様々な経験を生かして、今後も服に関わる仕事をしていきたいです。1ヶ月ありがとうございました。
Karin(1月4日~2月4日)

Minami Watabe
文化女子大学・服装学部
アドバンストテクニックコース

<ミラノ研修レポート>
ミラノ到着当初はたくさんの不安がありましたが、予想以上に充実した1ヶ月間を送ることができました。 特に製作したリバーシブルのジャケットは、これまで経験したことのない縫製方法であった為、作業の進め方に非常に戸惑いました。最高の生地でそれを作る事にはじめは緊張をしましたが、完成に近づくにつれ徐々に慣れることができました。今後もリバーシブル布をうまく活用した作品を考えたいと感じました。
また、縫製技術面だけでなく、今回の研修ではレベルの高い芸術作品の鑑賞やイタリアの様々な風景を直に体感したこと、会話だけではないコミュニケーションの大変さと大切さなど、毎日の一瞬一瞬が常に勉強になりました。たくさんの方と交流できたことで、世界の広さや自分自身のことを考えるきっかけとなりました。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
Minami(2月5日~3月7日)